2017年度 全国アンケート結果の公開
(スライドのPDFデータをダウンロード: slide_2017.pdf )
今年もご協力頂きましてありがとうございました。下記に御協力頂いた施設一覧を掲載しております。
スライド12017年1月1日-12月31日までの1年間に行われた冠動脈外科手術に関する全国アンケート調査結果の年次報告をする。 今回は全国の495施設に依頼し、306施設の施設から回答をお寄せ頂き、回答率は61.8%であった。これは前年の回答率62.1%とほぼ同じであった。 詳細で複雑な内容にも関わらず、多くの施設,先生方にご協力を頂き,この場にて厚く御礼を申し上げる。 このアンケート調査は、日本冠動脈外科学会の学術委員会において、その内容や調査・集計方法を検討し、それに基づいて行っているものである。1996年の第1回日本冠動脈外科学会からこの調査を行っており、それ以来、今回で23年連続23回目の調査である。 これらのデータは日本冠動脈外科学会の公式ホームページにおいて過去のデータと共に公開している。どなたでも閲覧、ダウンロード可能であり、我が国の冠動脈外科における基礎的データとして、多くの方々に広く引用されている。 |
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スライド2回答を頂いたアンケートのデータを集計した結果、分析の対象となった冠動脈バイパス術は12,584例、単独冠動脈バイパス術8,497例、合併手術は4,087例であった。単独手術と合併手術の割合は前年と同様であった。 単独手術のうち初回待機的冠動脈バイパス術は7,144例で、このうちoff-pumpが4,562例、on-pumpが2,582例であった。Off-pumpの施行率は64%で、前年(62%)より上昇し、高い施行を示した。 一方、緊急、再手術などの初回待機手術以外のバイパス術は1,353例で、この内半数以上の48%がoff-pumpで行われ、これは前年(51%)より低下した。 |
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スライド3スライドは1996年以降のoff-pump CABGの施行率の年次変化を示したものである。 Off-pumpは調査以降、急激に増加しており、2003年に初めて50%を越え、さらには2004年に60%を超えた。その後は60%台で推移している。前年は単独冠動脈バイパス術では初回待機手術の62%がoff-pumpで行われた。今回の調査ではoff-pumpの施行率は64%と上昇し、依然高い施行率を保っている。わが国ではoff-pump CABGはスタンダードな冠動脈バイパス手術術式として完全に確立している。 |
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スライド4初回待機手術ので術式の内訳を示す。 初回待機手術のうち、on-pump(心停止)は21.2%に行われ、前年(23.9%)より低下した。On-pump(心拍動)は14.9%に行われ、昨年(14.2%)と同様であった。Off-pump総数4,562例のうち、最後までoff-pumpで行えた(完遂)のは97.1%であり、途中でon-pumpへ移行したのは2.9%であった。これは前年の2.3%より若干上昇した。 |
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スライド5手術手技別の成績(死亡率)を示す。 単独冠動脈バイパス全体(総数)の死亡率は1.52%で、前年(1.66%)より低下した。単独初回待機手術の死亡率は0.81%と前年(1.09%)よりも著明に低下し、極めて良好な成績を示した。 このうち、on-pump(心停止)の死亡率は0.73%で、昨年(1.29%)より、著明に低下した。on-pump(心拍動)は1.59%と前年(1.28%)よりやや上昇した。Off-pumpを完遂できた症例の死亡率は0.61%と前年(0.86%)よりも著明に低下し、手術成績は極めて良好であった。 Off-pumpから途中でon-pumpに移行した症例の死亡率も2.29%と前年(5.88%)よりも著明に低下し、成績は改善した。 |
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スライド6単独手術総数と初回待機手術の死亡率の年次推移を示す。 両者の死亡率は年によって増減があるが、全体に低下傾向にある。今回の単独手術総数の死亡率は1.52%で、前年の1.66%よりも低下し、良好な成績を示した。 初回待機手術の死亡率は前年は1.09%であったが、今回は0.81%と低下し、成績は改善した。 |
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スライド7Off-pumpに関する詳細な調査を行った2004年以降における単独初回待機手術の手技別死亡率の年次年次推移を示す。 Offからon-pumpへの移行症例は年によって差があるが、死亡率は全体に高い傾向にある。前年は死亡率5.88%であったが、今回は死亡率2.29%と低下し,成績は改善した。 その他の手術手技の死亡率は比較的安定した成績であった。 |
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スライド8初回待機手術全体の病変数による成績を示す。 横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。 初回待機手術全体の死亡率は0.81%と前年(1.09%)よりも低下し、極めて良好な成績であった。 3枝病変が全体の47.7%と最多を占め、その死亡率は0.76%であった。1枝病変が最も死亡率が高く、1.26%であった。 |
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スライド9初回待機以外(再手術や緊急手術)の手術全体の病変数による成績を示す。 同様に横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。 初回待機以外の死亡率は5.25%と依然として高かったが、前年の死亡率4.67%より成績は低下した。 これも3枝病変が全体の35.9%と最多を占め、その死亡率は5.56%であった。最も死亡率が高かったのは1枝病変で、6.98%であった。 |
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スライド10初回待機以外(再手術や緊急手術)の手術総数の手術手技による成績を示す。 同様に横軸は手術手技の割合を、縦軸はその死亡率を示す。 このうち、ほぼ半数(47.8%)がoff-pumpで行われ、その死亡率は3.09%と前年の2.49%よりやや上昇した。また、on-pump(心拍動)の死亡率は9.63%と前年の7.46%よりも上昇したが、on-pump(心停止)の死亡率は3.32%と前年の6.14%よりも著明に低下し、成績は向上した。 |
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スライド11手術手技別のバイパスグラフト本数の割合を示す。横軸は割合を示す。 4枝以上を4枝として計算した全体の平均バイパス本数は2.99で、前年の3.05よりやや減少した。 手術手技別に、上からon-pump(心停止)が3.13本、on-pump(心拍動)が3.03本、off-pumpからon-pumpへの移行症例が2.98本であった。一番下がoff-pump(完遂)で2.94本で、前年(2.99本)よりこれもやや減少した。On-pump(心停止)のバイパスグラフト本数が多く、off-pump(完遂)のバイパスグラフト本数が最も少ないのは例年通りである。 |
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スライド12今度は逆にバイパスグラフト本数別の手術手技の割合を示す。横軸は割合を示す。 1枝バイパスの85.1%はoff-pumpで行われた。例年バイパス本数が増加するにつれ、off-pumpで行われる割合が減少し、on-pumpの施行率が増加する傾向がある。 しかし今回は4枝以上のバイパスの62.3%がoff-pumpで行われた。これは前年の57.2%よりも割合が増加し、3枝バイパスのoff-pump施行率(55.8%)を上回った。これは多枝バイパスでもより積極的にoff-pumpで行われている事を示している。 |
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スライド13グラフト吻合箇所別からみたon-pumpとoff-pumpの比較を示す。横軸は割合を示す。 バイパスを吻合した冠動脈の場所,あるいは吻合の有無により6通りに分類した。上からRCA,LAD,LCXであり,それぞれ上がon-pump(心停止)、下がoff-pumpである。 Off pumpでもon-pumpでもLADへのバイパス吻合は高率であり、on-pump(心停止)で92%、off-pumpで93%の症例でLADへのバイパス吻合が行われ、ほぼ同率であった。これに対してRCA,LCXへのバイパス吻合はon-pump(心停止)のほうがoff-pumpよりより高率に行われていた。 |
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スライド14吻合部位の有無からみたoff-pumpとon-pumpへの移行率の関係を示す。横軸は症例の割合である。 上の3段がそれぞれの冠動脈にバイパスを吻合した症例で、下の3段がそれぞれにバイパスを吻合しなかった症例で,どの程度の割合でoff-pumpから移行したかを表している。 LADにバイパスを吻合しなかった症例の9.3%がoff-pumpを完遂できず、on-pumpへ移行し、これは他に比べ著明に高い確率であった。すなわち、LADへの吻合が出来なかった(あるいはしなかった)症例がoffからon-pumpへ移行する確率がより高いことを示唆している。これは例年同じ傾向である。 |
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スライド15初回待機手術における年齢分布を男女別に示す。 全体の79.3%が男性で、女性は20.7%であった。男女比は前年と全く同じで、常にほぼ一定である。 男性のピークは前回と同様に70歳代で、女性のピークも70歳代であり,この数年は年齢分布に変化はない。 |
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スライド16初回待機手術における高齢者の割合の年次推移を示す。 70歳以上は2000年では39.3%であったが、年々増加し、今回は51.6%と前年(50.9%)より増加した。また、80歳以上の割合は今回12.7%と前年(13.5%)とほぼ同様であった。年々、高齢者の割合は増加傾向にある。 |
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スライド17各年齢層における死亡率の年次推移を示す。 以前は高齢者ほど死亡率が高かったが、年々高齢者の死亡率が低下する傾向にある。今回は70歳台の死亡率が1.35%と前年に比べてやや上昇したが、80歳以上の死亡率は1.60%と前回に比して低下し、成績は向上した。 |
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スライド18単独バイパス手術におけるグラフトの選択を示す。 バイパスの延べ本数は22,293本であり、動脈グラフトの内、左内胸動脈が最も頻用されて、35.3%と前年の35.5%と同様で、他の動脈グラフトより多く使用されていた。 動脈グラフトでは、次に右内胸動脈、橈骨動脈、胃大網動脈の順であった。動脈グラフト総数の割合は58.8%であり、これは前年(57.9%)より若干上昇し、依然として高い動脈グラフト使用率を示した。 一方、静脈グラフトは40.9%に使用され、前年の使用率42.1%よりやや低下した。 |
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スライド19単独バイパス手術におけるグラフト選択の年次推移を示す。 動脈グラフトは依然高い使用率であり、左右の内胸動脈の使用率はほぼ変化がない。しかし橈骨動脈と胃大網動脈の使用率は年々、低下している。 一方、静脈グラフトは2005年は使用率29.8%であったが年々増加傾向を示し、今回は40.9%に使用された。近年、静脈グラフトが使用される割合が増加傾向にある。 |
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スライド20全単独冠動脈バイパス手術におけるstroke(脳血管に関する有害事象)の手術手技別の発生率示す。 Strokeは72時間以上継続する中枢神経系由来の神経学的欠損で、非可逆的脳障害あるいは永続的な身体的障害を伴うものと定義した。 全単独バイパス症例8,492例中、strokeを起こした症例は97例で、全体の発生率は1.14%であった。これは前年の発生率1.27%より低下した。 手術手技別の発生率はoff-pump:0.81%(41例/5050例)、on-pump(心停止):1.34%(24/1787)、on-pump (心拍動):1.86%(28/1502)、offからon-pumpへの移行:2.53%(4/158)であった。on-pump(心停止)群を除いて全ての群で前年より発生率は低下した。 4群間での検定をKruskal-Wallis testを用いて、多重比較はTukey法を用いて検定を行った。その結果、off-pump(完遂)群とon-pump(心拍動)群の間 (p=0.0058)に有意差が認められたが、その他の群間比較では統計学的に有意差は認められなかった。 以上の結果から、on-pump(心拍動)は脳血管の有害事象を起こす危険因子であり、off-pump(完遂)はそれに対して有意に脳血管の有害事象を回避することが示された。 |
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スライド21PCI後の冠動脈閉塞や狭窄、出血などの合併症に対する緊急冠動脈バイパス術の成績を示す。 PCI後の合併症に対して24時間以内に緊急手術を行った症例は75例であった。発生率は全単独CABG症例(8497例)に対して0.88%であった。 この内、死亡例は10例で、死亡率は14.67%と前年の死亡率10.2%より上昇し、成績は悪化した。 PCI後の合併症に対する緊急手術は依然予後不良である。 |
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スライド22ここからは急性期心筋梗塞合併症に対する手術成績を述べる. 心室中隔穿孔の手術成績の年次推移を示す。横軸は年次、縦軸は死亡率である。 心室中隔穿孔の手術成績は、最近約20年間はほぼ横ばいの状態である。今回の手術死亡率は23.2%で、前年の21.2%よりやや上昇した。 |
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スライド23心室中隔穿孔の手術成績の内訳を示す。横軸は症例数を示す。 心室中隔穿孔の手術は昨年172例に行われ、死亡率は23.2%であり、前回の21.2%より上昇し、成績は悪化した。 このうちバイパス術を同時に行った症例は84例で、その死亡率16.6%で、行わなかった108例の死亡率は24.0%であった。 |
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スライド24梗塞部位と手術手技別にみた心室中隔穿孔の手術成績を示す。横軸は症例数を示す。 前壁梗塞を伴う症例は合計113例に行われ、全体の死亡率は21.2%であり、前年の19.5%より上昇し、成績は悪化した。このうちpatch closureは42例に行われ、その死亡率は23.8%であり、infarction exclusionは61例に行われ、その死亡率は22.9%であった。 後下壁梗塞を伴う症例は合計59例に行われ、全体の死亡率は27.1%であり、前年の26.8%よりやや上昇して、成績は悪化した。そのうちpatch closureは39例に行われ、その死亡率は25.6%であり、infarction exclusionは12例に行われ、その死亡率は50%であった。 今回も前壁梗塞に比べて、後下壁梗塞に伴う心室中隔穿孔の成績は不良であった。 |
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スライド25心室中隔穿孔の梗塞部位別の死亡率の年次推移を示す。 前壁梗塞の死亡率は例年あまり変化がないが、後下壁梗塞の死亡率は近年低下傾向にある。 前年とほぼ同様の成績であったが、今回も前壁梗塞に比べて、後下壁梗塞の心室中隔穿孔の成績は不良であった。 |
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スライド26左室乳頭筋断裂の手術成績の年次推移を示す。 左室乳頭筋断裂の手術成績は2010年には上昇したが、その後低下し、最近の成績が特に変化はない。今回の死亡率は19.1%で、前年の12.5%より上昇した。 |
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スライド27左室乳頭筋断裂の手術成績の内訳を示す。横軸は症例数を示す。 左室乳頭筋断裂の手術は68例に行われ、前年の症例数32例より倍増した。その死亡率は19.1%であり、前回の12.5%より上昇し、成績は悪化した。 このうちバイパス術を同時に行った症例は44例で、その死亡率は6.8%で、行わなかった24例の死亡率は41.6%であった。 |
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スライド28心破裂の手術成績の年次推移を示す。 心破裂の手術成績は1980年代、90年代は年々向上してきたが、最近の約20年間はあまり変わっておらず、相変わらず高い死亡率である。今回の手術死亡は35.1%と前年の26.4%より上昇し、手術成績は悪化した。 |
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スライド29心破裂の手術成績の内訳を示す。横軸は症例数を示す。 心破裂は発生機序に分けて分類し、その成績を調査した。 心破裂の手術は131例に行われ、その死亡率は35.1%と前回の26.4%より上昇した。 このうちblowout typeの総数は42例で、死亡率は66.6%と依然高かった。バイパスを同時に行った症例の死亡率は66.6%、行わなかった症例の死亡率も66.6%であった。一方、oozing typeの総数は89例で、死亡率は20.2%で、blowout typeよりに良好な成績を示した。バイパス術を同時に行った症例の死亡率は5.2%、行わなかった症例の死亡率は24.3%であった。 |
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スライド30心破裂の破裂機序別の手術成績の年次推移を示す。 blowout typeの心破裂の死亡率は今回66.6%と前回の50%より上昇し、高い死亡率を示した。oozing typeの死亡率も20.2%と前回の9.5%より著明に上昇した。 今回の両者の成績は、昨年より悪化した。 |
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スライド31ここからは慢性期の心筋梗塞合併症に対する手術成績を述べる. 左室瘤全体の手術成績の年次推移を示す。横軸は年次、縦軸は死亡率を示す。 左室瘤総数(同時に虚血性僧帽弁閉鎖不全症の手術を行ったものを含む)の手術成績は最近は安定した成績である。今回の手術死亡率は5.29%で、前年の4.87%よりやや上昇した。 |
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スライド32左室瘤や虚血性心筋症に対する左室形成術もしくは左室瘤切除を行った症例の手術成績を示す。横軸は症例数を示す。 左室形成術および左室瘤切除の手術は昨年170例に行われ、死亡率は5.29%で、前年の4.87%よりやや上昇した。 このうちバイパス術を同時に行った症例は120例で、その死亡率は4.16%で、行わなかった症例は50例で死亡率は8%であった。 |
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スライド33虚血性僧帽弁閉鎖不全に対する手術成績を示す。横軸は症例数を示す。 虚血性僧帽弁閉鎖不全に対する手術は今回356例に行われ、その死亡率は4.49%であり、前年(3.84%)より上昇し、成績はやや悪化した。 僧帽弁形成術を行った症例は262例で、その死亡率は4.19%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は244例で、その死亡率は4.51%で、行わなかった症例18例の死亡率は0%であった。 僧帽弁置換術を行った症例は94例で、その死亡率は5.31%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は68例で、その死亡率は7.35%で、行わなかった症例26例の死亡率は0%であった。 |
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スライド34左室瘤・虚血性心筋症と虚血性僧帽弁閉鎖不全を合併した症例に対する手術成績を示す。横軸は症例数を示す。 左室瘤・虚血性心筋症と虚血性僧帽弁閉鎖不全に対する手術は今回53例に行われ、その死亡率は7.54%であり、前年の死亡率5.97%より上昇し、成績は悪化した。 左室形成術と僧帽弁形成術を同時に行った症例は39例で、その死亡率は7.69%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は29例で、その死亡率は10.34%で、行わなかった症例10例の死亡率は0%であった。 左室形成術と僧帽弁置換術を同時に行った症例は14例で、その死亡率は7.14%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は9例で、その死亡率は11.11%で、行わなかった症例5例の死亡率は0%であった。 |
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スライド35結語(1) 1.単独冠動脈バイパス術の死亡率は1.52%で、初回待機手術の死亡率は0.81%であり、前年より改善し、極めて良好な成績であった。 2.初回待機手術のうち64%がoff-pumpで行われ、相変わらず高い施行率であった。その死亡率は0.61%と前年より著明に低下し、良好な成績を示した。 3.Off-pumpからon-pumpへの移行率は2.9%であり、その死亡率は2.29%と成績は前年よりも著しく改善した。 4.4枝(以上)バイパス症例の62.3%がoff-pumpで行われた。 5.冠動脈バイパス術症例は年々高齢化し、70歳以上は全体の51.6%、80歳以上は12.7%占め、高率であった。 |
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スライド36結語(2) 6.動脈グラフトは全グラフトの58.8%に使用され、静脈グラ フトの使用率は40.9%であった。近年、静脈グラフトの使用率が上昇している。 7. 術後合併症としての中枢神経系の有害事象(stroke)は、全冠動脈バイパス術の1.14%に発生した。Off-pump術後のstroke発生率はon-pump(心拍動)とoffからon-pumpへの移行のそれより有意に低く、off-pump CABGはこの合併症を回避しうる事が示された。 8. 冠動脈のインターベンション後の合併状のために24時間以内に緊急手術を行った症例は単独バイパス術の0.88%を占めた。その死亡率は14.67%と依然として高かった。 9. 急性および陳旧性心筋梗塞後の合併症に対する手術成績は前年より悪化した。特に後下壁の心室中隔穿孔やblowoutタイプの心破裂の死亡率は依然として高く、予後不良であった。 |
今年もご協力いただきましてありがとうございました。締切を過ぎてから送付されてきた施設のものはこの一覧に載っていないかもしれません。ご連絡いただければすぐに載せます。
連絡先:南池袋介護老人保健施設アバンセ 折目由紀彦
03-5955-7370(代)
y.orime@zenjinkai.net
御協力頂いた施設一覧
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- 独立行政法人国立病院機構京都医療センター
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- 市立長浜病院
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- 社会医療法人財団白十字会佐世保中央病院
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- 社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院
- 熊本赤十字病院
- 国家公務員共済組合連合会総合病院熊本中央病院
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- 医療法人天陽会中央病院
- 独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター
- 愛心会大隅鹿屋病院
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- 社会医療法人敬愛会中頭病院
- 沖縄医療生活協同組合沖縄協同病院
- 社会医療法人友愛会豊見城中央病院
- 南部徳洲会病院
- 医療法人博愛会牧港中央病院
- 医療法人沖縄徳洲会中部徳洲会病院
- 社団法人北部地区医師会附属病院心臓血管センター